株式会社Preferred Networks(本社:東京都千代田区、代表取締役 最高経営責任者:西川徹、プリファードネットワークス、以下、PFN)と国立大学法人神戸大学(本部:神戸市灘区、学長:武田廣、以下、神戸大学)は、 PFNのMN-3が、26.04 Gflops/W*1(1W?1秒あたり約260億回の演算)の省電力性能を実現したことを発表します。これは、前回のスーパーコンピュータの省電力性能ランキングGreen500リスト*2でMN-3が達成した世界記録を23.3%上回るものです。なお、MN-3は、本日(日本時間)発表された最新のGreen500リストで世界2位にランキングされました。

 神戸大学からは、大学院理学研究科惑星学専攻の牧野淳一郎 教授、惑星科学研究センターの野村昴太郎 特命助教、細野七月 特命助教が、本共同開発に参加しています。

PFNの深層学習用スーパーコンピュータMN-3

 MN-3は、PFNと神戸大学が共同開発した超低消費電力の深層学習用プロセッサーMN-Core?を搭載し、PFNが構築した深層学習用スーパーコンピュータです。PFNは、2020年5月にMN-3の試験稼働を開始し、継続的にシステムの効率化、高性能化を目指してソフトウェアスタックの開発に取り組んできました。

 今回の測定に使ったシステムは、MN-3全体のうち32ノード、MN-Core128個です。メモリ転送(メモリ間のデータ移動)および命令処理の効率化を進めたことが大きく寄与し、より高い演算性能を、より少ないノードとプロセッサーで実現しています。これは、PFNが従来から得意とするソフトウェア技術によって、MN-CoreおよびMN-3の性能を最大限引き出した結果です。

 PFNは今後、MN-3向けのソフトウェア開発を進めることで、自動運転、ロボティクス、創薬をはじめとするPFNの様々な研究開発にMN-3を活用していく予定です。

今回の測定に使ったシステム構成および演算性能は次の通りです:


?今回(2020年11月)? ?前回(2020年6月)
?ノード数 ?32ノード ?40ノード?
?MN-Core数 ?128個 ?160個?
?CPUコア数 ?Intel Xeon 1,536個 ?Intel Xeon 1,920個?
?ピーク性能(理論値) ?3.138 Pflops ?3.92 Pflops
?連立一次方程式を解く計算速度(HPLベンチマーク) ?1.653 Pflops ?1.621 Pflops
?省電力性能(消費電力1Wあたりの性能) ?26.04 Gflops/W ?21.11 Gflops/W

MN-3 - MN-CORE SERVER, XEON PLATINUM 8260M 24C 2.4GHZ, PREFERRED NETWORKS MN-CORE, MN-CORE DIRECTCONNECT

(リンク中のCores: 1,664の内訳はMN-Core 128個、Intel Xeon CPU 1,536個です。HPLベンチマークでは主にMN-Coreが演算を担当しています)

用語解説

※1 Gflops/W
プログラム実行において、1Wの電力で実行できる浮動小数点演算回数(単位は1秒あたり10億演算)であり、省電力性能の目安となる。
※2 Green500リスト
これからのスーパーコンピュータはエネルギー効率が最重要である、という見地から、2005 年に始まったプロジェクト。バージニア工科大学の Feng 教授を中心とするグループが 2007年11月から年 2回発表している。対象となるのはHPLベンチマークでTOP500 にランク入りしたシステムで、演算性能/消費電力比で順位が決まる。

株式会社Preferred Networksについて

株式会社Preferred Networks

 深層学習技術とロボティクスなどの先端技術を実用化することを目的に、2014年3月に創業。交通システム、製造業、バイオ?ヘルスケアの3つの重点事業領域をはじめ、パーソナルロボット、プラント最適化、材料探索、スポーツ解析、エンターテインメントなどの分野にも深層学習の応用領域を拡大しています。2015年にオープンソースの深層学習フレームワークChainer?を開発。2020年6月に自社開発の深層学習専用プロセッサーMN-Core?を搭載したスーパーコンピュータMN-3がGreen500リストで世界1位にランキング。

 Chainer?、MN-Core?は、株式会社Preferred Networksの日本国およびその他の国における商標または登録商標です。

関連リンク